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宮部 昌文; 若井田 育夫; 有澤 孝
Z. Phys., D, 39(3), p.181 - 187, 1997/00
ガドリニウムのレーザー同位体分離では、輻射寿命や分岐比、振動子強度などが重要な物理量となる。そこで、3段階電離スキームの第1,第2励起状態となる15000~19000cm及び32000~36000cmに存在する準位の寿命と、第1励起遷移の分岐比を、多段階共鳴電離分光法で測定した。寿命は40個の準位で測定し、報告値との一致を確かめた。分岐比はfds(D)J=2~6の基底項状態から励起する19個の遷移で測定し、寿命の測定値と合わせて振動子強度に換算した。得られた値の多くはユリスの報告値より大きく、コマロフスキや西村の報告値より小さい値になった。
間柄 正明*; 篠原 伸夫; 初川 雄一; 塚田 和明; 飯村 秀紀; 臼田 重和; 市川 進一; 鈴木 敏男*; 永目 諭一郎; 小林 義威; et al.
Radiochimica Acta, 72, p.39 - 43, 1996/00
タンデム加速器でU(C,5n)反応により生成するCfの壊変特性について放射化学的手法を用いて研究した。Cfは1950年に発見された最初のカリホルニウム同位体であるがその後の研究にもかかわらず-、EC壊変様式の詳細は明らかではない。本研究ではCfを迅速イオン交換分離法により核反応によって多量に生成する核分裂生成物から分離、精製を行い、その-、x-、-線の測定を行った。Cfの線とEC娘核種のBkの線の測定より/EC分岐比を実験的に求めた。さらに線の精密測定によりその微細構造を得てこれにより-壊変の娘核種Cmの慣性モーメントを求めそれに基づいてCmの基底及び励起状態のニルソンレベルを決定しCfの壊変様式を得た。
K.S.Toth*; C.N.Davids*; Y.A.Akovali*; B.B.Back*; K.Bindra*; C.R.Bingham*; Carter, H. K.*; W.Chung*; 初川 雄一; D.J.Henderson*; et al.
Nuclei far from Stability/Atomic Masses and Fundamental Constants 1992, p.589 - 594, 1993/00
陽子数が閉殻に近いPt(Z=78)、Hg(Z=80)の壊変は陽子閉殻構造の影響で、その壊変率(換算巾)が小さくなっている事が知られているが実験の困難さゆえに詳しい情報は少ない。本研究ではフラグメントマスアナライザーと同位体分離装置(ISOL)を用いて迅速に目的核種を分離する事によってPt,Hgの壊変特性について研究した。Pt同位体はSmターゲットにSビームを照射して生成した。生成したPt同位体はフラグメントマスアナライザーでSビームと分離された後Si(Au)検出器にイオン注入されて線の検出を行なった。Hg同位体はWターゲットにCを照射して得た。同位体分離装置で分離精製後線,線の測定を行なった。得られた線、線の強度から壊変の分岐比を求めた。さらにZ=82近傍の核種の換算巾の系統性について論じた。
福田 健; 大森 俊造
日本原子力学会誌, 17(4), p.177 - 185, 1975/04
セラミックス材料への核分裂ヨウ素の化学吸着を利用して、その娘核種のキセノンを親核種から高温で分離する、新しい、乾式の分離法について研究した。種々な材料(アルミナ、マグネシア、酸化カルシウム、二酸化ウラン、黒鉛、ステンレス鋼(type304)および銀)について、吸着されたヨウ素が壊変して生成するキセノンの離脱挙動を調べ、最高の離脱率を示したアルミナをヨウ素吸着材とする分離装置を製作し、これによってIからXeおよびXeをその生成直後に分離した。その場合の分離収率および生成キセノンの離脱所要時間について検討し、共に満足すべきものであることを確認した。Iの分岐比とXeの半減期を測定した。その結果、Iの、Xeへの分岐比=15.00.8%、Xeの半減期=15.290.05minの値を得た。